一行怪談・10月中旬分。
続きます。
交差点の一角だけ、そこに誰かが立っているかのように、どんなに雨が降っていても決して濡れない。 #一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月11日
10/12追加。
私には陽の光は明るすぎ、闇は暗すぎるので、満月前後の月の光の下でしか形を保つことができないのです。 #一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月12日
10/13追加。
村の真ん中に立つ大きな一本杉は、月明かりで見ると村人全員が首を吊っているような影が映る。 #一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月13日
10/14追加。
人気のない昼下がりの住宅街を通りかかると、どの家の玄関も少しだけ開いて、ドアの隙間から伸びた手だけがおいでおいでと招いている。#一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月14日
10/15追加。
地震かと思って外に出てみたら、自分の家だけが激しく揺れていた。#一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月15日
10/16追加。
ホームで自殺者が出た時に必ず目撃される「あの人物」について、騒ぎ立てたり深く追求しないことが、駅員達の不文律になっている。 #一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月16日
10/17追加。
べったりと笑顔を貼り付けて車の中からこちらを見ている親子連れの口元が、明らかに「助けて」と動いている。 #一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月17日
10/18追加。
先程から、アリのような小さいものが、横たわる私の左眼にしきりに入り込もうとしている。 #一行怪談 #一行怪談創作部
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月18日
10/19追加。
マンションの裏の非常階段を使った時だけ、存在しないはずの階が一つ増える。#一行怪談
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月19日
10/20追加。
知人から預かった、がっちりテープで巻かれた箱が小刻みに震え始め、だんだんそれが激しくなって行く。 #一行怪談
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2017年10月20日