手の中の宇宙
診断メーカーのお題から、ババッと思いついて降りてきたちょっとしたお話。そもそもは二次創作のつもりでしたが、濾過して一次創作に変えました。
それもあってなんか漠然とした話になってますが、雰囲気で読んでください。
水沢ながるさんには「探し物はここにあるのに」で始まり、「緑が目に眩しかった」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば13ツイート以内でお願いします。https://t.co/cnubVFeyWZ
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2018年6月10日
「探し物はここにあるのに、あなたはまだ見当違いなところを探っているのね」と、今は亡きあの女(ひと)に言われる夢を見た。言われてみればそうなのかも知れない。問題は、肝心の探し物が何なのかわからない点だ。何かを探しているのは確かなのに、それが何だかわからない。だからきっと、(続)
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2018年6月10日
(承前)見当違いなところばかり探してしまうのだろう。あの女(ひと)の言い方からすると、目当ての物はすぐ近くにありそうだ。真っ暗な中を手探りで、自分の周りを入念に探ると、ちっぽけな何かが手に当たった。もしや自分が探しているのはこれなのか。予想ではもっと大きいもののような気が(続)
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2018年6月10日
(承前)していたのだが、これは砂粒のように小さい。手に取ると、小さなそれはぼうっと淡い光を発した。手の中で、光は瞬くように明滅し、それとともにだんだん強く、美しくなって行く。しまいにはキラキラと星のような光に変わった。一つだった光はいくつもに分かれ、手の中に宇宙が生まれた。(続)
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2018年6月10日
ああ、確かに自分が探していたのはこれだったのだと直感した瞬間、夢から目覚めた。目の前のスマホが光っている。以前から気になっていた相手からの、今度二人で会わないかというメッセージ。返事を考えているうちに寝落ちしてしまっていたらしい。少し考え、イエスの返事を送る。夢の中の、(続)
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2018年6月10日
手の中の宇宙の感触を思い出す。そう、これでいい。きっといい。外はすっかり明るくなっている。今日一日を始めるために、外へ一歩足を踏み出した。季節は初夏。緑が目に眩しかった。(終)
— 水沢ながる(絵は描けない) (@mizunagaru) 2018年6月10日