「劇場版 タイムスクープハンター ~安土城 最後の一日~」(中尾浩之監督)

 沢嶋雄一(要潤)、彼はタイムスクープ社の時空ジャーナリストである。タイムワープ技術を駆使し、あらゆる時代にワープし、歴史に埋もれた名も無き人々の暮らしを記録する、タイムスクープハンターである。
 今回の彼の取材対象は、織田家禁裏詰めの武士・矢島権之助(時任三郎)。本能寺の変が起こって治安が崩壊した京都で、一人残って禁裏に避難してきた難民たちの救援に当たっていた人物である。だが、ひょんなことから権之助は博多の豪商・島井宗𠮟(上島竜兵)を博多まで送り届ける任を引き受ける。その旅に同行し、取材を続ける沢嶋。宗𠮟は一国も買えるという価値のある茶器・楢柴を持っていた。
 旅の途中で、一行は怪しい山伏の襲撃を受ける。山伏は沢嶋達の時代の武器・フリーズガンを使い、楢柴を奪おうとした。咄嗟に沢嶋が取り返そうとするも、楢柴は沢嶋共々谷川に落ちてしまう。
 タイムナビゲーター・古橋ミナミ(杏)のサポートもあり、未来に戻った沢嶋。どうやら犯人はタイムスクープ社の内部にいるらしい。ミナミと谷崎第二調査部長(カンニング竹山)の報告を受けた一ノ瀬映像局局長(宇津井健)から、沢嶋は歴史修復の極秘任務を託される。アシスタントとして抜擢されたのは、ミナミの後輩で研修生の細野ヒカリ(夏帆)。
 沢嶋とヒカリは失われた楢柴を元の時代に戻すべく、1985年の女子高・五松学院に潜入するが……。


 NHKのドキュメンタリー風歴史番組「タイムスクープハンター」の(まさかの?)映画版。
 映画ということでスケールアップしつつも、いつもの「タイムスクープハンター」もちゃんと保っていて、毎回見ている人にはたまらない。
 いつもはゲストは無名の俳優さんばかりですが、今回は流石にそういうわけにもいかないので時任さんとか有名な俳優さんも出ていますが、関係なく汚れた格好をしています(笑)。時任さんとか上島さんなんかはともかく、村の若者役の山中崇さんとか、言われてもわからないよ!
 安土城まで行ってるのに、誰でも知ってるような歴史上の人*1はちゃんと一切出てこない。一番有名なのが島井宗𠮟(島井宗室)というレベルだし。そこがタイムスクープハンター。
 TV版からそうですが、この作品、弓矢とか石とか鉄砲とか武器がことごとく当たると痛そうです。弓矢怖いよ弓矢。あっという間にモザイク*2だよ。
 そして、どの時代に行っても誰かに追っかけ回されたりピンチに陥る沢嶋さんマジ沢嶋さん。学生カバンに偽装した小型タイムワープ装置とか、自走する超小型カメラ・スパイダーカム(何となく最近の平成ライダーに出て来る小型サポートメカを彷彿とさせて可愛い)とかの未来ガジェットも楽しい。
 最後には安土城で賊との戦いになりますが、ここで大幡村の生き残りの男達がどうして戦いに向かったのかは、TVシリーズ第5シーズンの最終話を見てた方がわかりやすいかも。
 ドキュメンタリー風歴史ドラマとして、ハラハラドキドキ楽しめました。次のシーズンも(あるのならというかあると信じてますが)楽しみ!

*1:織田信長とか明智光秀とか

*2:=死体